ところてん、寒天用天草

天草

7月後半、名古屋の三越栄店でところてん、あんみつ催事販売がありました。

その帰りなんですが、天草の不漁が話題になっているという事で、現状把握のために原料問屋に行ってきました。

愛知県知多半島の先の方にある株式会社森田商店

私の知る限り先々代から取引している問屋さんです

なんで、伊豆に会社があるのに愛知県の問屋さんからところてんの原料を買ってる?

と疑問に思おう人も多いと思います。

実はところてんの原料「天草」は入札制度ですが、入札の権利を持っている会社がなんと日本全国に数社しかありません。

基本的にその入札権利がないと漁協などから直接買う事ができません。

まあ、古い制度のような気もしますが、問屋さんの目利きはプロでありそこは任せています。

まず、糸寒天の製造工場が事務所の隣にあるので見せてもらいました。

手作業なんですね~

伊豆河童の国産糸寒天はこちらで作業してもらっています。

そして、いよいよ天草倉庫へ

「おおお!!!!」

と思わず声を出してしまうほどの天草の量!

しかも、これは今年の入札の済んだ荷がまだ入ってきてないから一番少ない状態だとか。。

ここ森田商店さんは日本全国の天草を買い付けていますので、もちろん伊豆以外の天草もあります。

泉津は大島ですね 見た感じ青ざらしの天草っぽいです。

真ん中のは仁科寄りの半ざらし、奥のは千葉の赤ですね

※ちなみに簡単に説明すると、赤は摂取後そのまま天日で干したもの

晒は水で洗いながら天日で干したものです。

こちらも真ん中は千葉産

右の赤草はすべて千葉。

今年は千葉がよく取れるそうです

岡田は伊豆大島。 赤の質がよさそうです。

左は高知の室戸。ちらっと赤が見えてますね

こちらのきれいな晒は主に伊豆諸島の天草です

式根島、波浮港(大島)、岡田(大島)、そして松輪(三浦半島)の赤

こちらは韓国産

済州島産がほとんどみたいです。

そして、こちら伊豆産

八木沢のトラ

※トラというのはさらし天草の間に赤草が混じっていて、天日干しを調整して赤が残るようにしている高級品です

こちらも八木沢のトラ

ただ、寄りのトラは少しランクは落ちます

こちら奥の黄色い袋に包まれているのはモロッコ産

モロッコは昔から日本に輸出しています

手前は済州島

こちらの四角いのは韓国産

コンテナで来るのでやはり四角くして多く積めるようにしています。

最後に、こちら国産糸寒天の倉庫

キレイにカットして小分け待ちです

総じて、やはり伊豆産は少なく、今年は千葉が多いようです

黒潮の蛇行で駿河湾に栄養のある海流が流れてこないのが原因ではないかと言われています。

逆に千葉の方には栄養のある海流が流れているようです。

とはいっても天草漁の技術が伊豆半島はあるので、数は少なく、さらにブランドでかなり高いようです。

今年取れた天草は来年使うので正直ところてんの値上げをせざるを得ません。

なんとか伊豆でも天草が量採れるように祈るばかりです

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栗原 康浩
ところてんの伊豆河童 株式会社栗原商店の代表取締役。 1869(明治2)年から続く、ところてんやあんみつの製造販売を行う会社の4代目。 当社の天草(てんぐさ)は、硬めの東伊豆産と柔らかめの西伊豆のブレンドした独特の商品。粘りとコシが強く、風味よくしっかりとした食感が特徴。