ところてんに似てるけど違う!ところてんみたいなやつ「浮太(おきゅうと)」「くずきり」「心太(ところてん)」「春雨」。その違いを解説!!

ツルツルと喉ごしよく食べることができる「ところてん」「葛切り」「おきゅうと」「春雨」

その違いを皆さんご存知でしょうか?

知ってるようで知らないこの違いを、「ザ!鉄腕ダッシュ!0円食堂」にも登場した静岡県清水町で150年!ところてんの専門店『伊豆河童』がご紹介していきます。

ところてん(心太)とは?

ところてんの原料は海藻である天草(テングサ)

天草にはマクサ、オオブサ、オニクサ、ヒラクサなどいろいろな種類があります。

その天草を水と一緒に煮て、煮汁を漉し、型に流し込んで、固まったものを「ところてん突き」で細く突き出したものが、ところてんです。

詳しくは、伊豆河童ブログ「ところてんとは、そもそも何か?意外と知らない「ところてんと寒天の違い」やところてんの歴史を解説!」でご紹介しています。

詳しくはこちら

「ところてんとは、そもそも何か?意外と知らない「ところてんと寒天の違い」やところてんの歴史を解説!」

https://www.tokoroten.co.jp/blog/history/

葛切りは何からできている?

ところてんと似ている見た目の「くずきり」。

ところてんが海藻(テングサ)からできているのに対し、葛切りは葛粉(くずこ)からできています。

葛粉はマメ科のつる草「寒根葛(カンネカズラ)」の根の部分からデンプン質を取り出したもの

カンネカズラの根は「葛根(かっこん)」と呼ばれ、漢方薬としても使われています。

「葛粉」という名称で一般に市販されているものは、実はじゃがいもやサツマイモ、コーンスターチなどのデンプンが加えらているものが多く、葛から取ったデンプン100%のものは「本葛(本くず)」と呼ばれています。

葛粉を水に溶かして熱したあと、型に入れ冷やし固めたものを細長く切ったものが葛切りです。

つるりとした食感が特徴で、黒みつをかけていただくのが一般的です。

おきゅうととは?

「おきゅうと」は九州・福岡を中心に食べられている郷土料理です。

原材料は、ところてんと同じく、海藻

ところてんとの違いは、ところてんの原料はテングサ(マクサ、オオブサ、オニクサ、ヒラクサなど)ですが、おきゅうとの原料はエゴノリとイギス(沖天)ということ。

天草(テングサ)について詳しくはこちら

ところてんの原料「天草(テングサ)」って何?種類や産地、収穫量などを徹底解説

https://www.tokoroten.co.jp/blog/tengusa/

干したエゴノリ・イギスを煮溶かして冷やし固めたものが「おきゅうと」です。

「ところてん」はテングサを水と一緒に煮て煮汁を漉して冷やし固めたもの。

おきゅうとは煮溶かした海藻が全て溶け込んでいる、

ところてんはテングサから取った抽出エキスを固めている、という点も違いますね。

また、冷やし固めたものを、おきゅうとは短冊状に包丁で切りますが、ところてんは「ところてん突き」で細く突き出します。

福岡では以前は「おきゅうと売り」もいて、朝食として食べられてきたのだそう。

「おきゅうと」という名前の由来には諸説あり、

「沖で採れるウド」「飢饉のとき非常食として多くの人を救ったことから、救人(きゅうと)」「漁師に製法を教わったため、沖人(おきうど)」「キューっと絞る手順があるから」などと言われています。

おきゅうとはところてんよりも弾力があり、もっちりとした独特の食感が特徴です。

ごま、醤油、かつおぶし、すりおろした生姜、ネギ、ポン酢酢味噌などをかけて食べます。

「おきゅうと」と似たもので新潟には「えご」「えごねり」というものもあります。

おきゅうとと同じく原料はエゴノリ(えご草)で、仏事・お盆・お祭りなどに食べる習慣があるそうです。

江戸時代から明治時代にかけ、大阪・下関・北海道を航行する北前船によって九州から新潟地方に伝わったと考えられています。

春雨との違い

つるっとした食感でもうひとつ思い浮かぶのが、春雨

春雨の原料は緑豆やジャガイモ、トウモロコシなどの澱粉(でんぷん)です。

澱粉が原料なので、成分のほとんどを炭水化物が占めています。

春雨は西暦1000年前後に既に中国で作られていたといわれていて、日本には精進料理の食材として鎌倉時代に伝来したとされています。

製造過程で、機械の穴から生地が押し出される様子が、春にしとしとと降る細い雨

春雨に似ていることから名付けられたそう。

春雨そのものには味がほとんど無いので、チャプチェ、炒め物、スープ、サラダ、和え物など和食・中華・アジア料理などに幅広く使われる食材です。

今回はツルッとした喉越しの食べ物、ところてん・葛切り・おきゅうと・春雨の違いについてご紹介しました。

まとめ

ところてんの原料はマクサ、オオブサ、オニクサなどの海藻(テングサ)で、テングサを水と一緒に煮て、煮汁を漉し、冷やし固めたものを「ところてん突き」で細く突き出したもがところてん。

葛切りは葛粉(くずこ)が原料。葛粉を水に溶かして熱したあと、冷やし固めたものを細長く切ったものが葛切り。

おきゅうとの原料は、海藻のエゴノリとイギス(沖天)。九州・福岡を中心に食べられている郷土料理で、ごま、醤油、かつおぶし、すりおろし生姜などをかけて食べる。

春雨の原料は緑豆やジャガイモ、トウモロコシなどの澱粉(でんぷん)。和食・中華・アジアンなど、さまざまな料理に使われる食材。

美味しいところてん、あります

創業明治二年「ところてんの伊豆河童」では、伊豆産の天草(テングサ)100%、富士山の湧き水を使った職人手作りのところてんを販売しています。

ところてん突きでついた、突きたてのところてんは格別です!

ところてんのたれは16種類

酢醤油(二杯酢)、三杯酢、黒蜜、ほうじ茶蜜、わさびドレッシング、梅しそつゆ

胡麻ダレ、抹茶蜜、玄米黒酢、柚子みつ、コーヒーみつ、めんつゆ

白蜜糖、北海最中餡、桜あん(春季限定)、桜みつ(春季限定)をご用意。

ご自宅でおいしいところてんを、味わってみてくださいね

ところてんの伊豆河童

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宮川
静岡県在住ラジオパーソナリティー&インターネット新聞記者。おいしいものとデジモノが好きです。 伊豆河童店長の「伝統の伊豆ところてんを伝え、伊豆の海女さんを守りたい」という思いに共感し、2022年11月より伊豆河童のよみものを担当。 好きなところてんのたれはほうじ茶蜜。